自然や文化には対称なものが多い.
対象計(対称性の大きさ,複雑さを計るもの)として群を考える.
1.1 正多角形のシンメトリー ---巡回群,2面体群
一般に正n角形ではの倍数の回転はシンメトリーである.
空間内で考えると,中心と一つの頂点を通る直線を軸とした180゜回転もシンメトリーとなる.
ここでいうシンメトリーとは,途中経過を含めた変換の意味ではなく,動かした後の結果のみを考える.
例えば,反時計周り(正の向き)に120゜回転させることと,時計回りに240゜回転させることは同じとみなす.
- 定義(単位シンメトリー)
- 0゜の回転,すなわち何も動かさないのも回転と考え,これを単位シンメトリー,又は恒等シンメトリーと呼ぶ.
すなわち,どんな非対称な図形でも少なくとも一つシンメトリーを持つ.
正3角形の頂点に{1, 2, 3}と番号を付けてシンメトリーを区別すると,各シンメトリーは最終的に頂点{1, 2, 3}がどこへ移ったかを見ればよい.
(平面内の)正3角形のシンメトリーはの倍数の回転,すなわち120゜,240゜,360゜(0゜)の回転で全てである.
ただし,特に断らない限り度数は反時計周りで数えるものとする.
一度そう決めてしまったものは仕方がない.いろいろ疑問も起こるが「ともかく群論を学ぼう」(テキストp.4)